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田園カップル～カルガモ

我が家の川向いにあるお隣の水田でカルガモをよく見かけます。早苗の淡い緑の中にカルガモのカップルがいて、向こうの畑には菜の花が満開、とてものどかな田園風景です。

しかし、写真をよく見るとカルガモのいる周辺の早苗が踏みつけられて少し無くなっています。この時期、カモたちに水田に入られるのは農家には迷惑なことですが、それでもお米の収量が減って困ったとは聞いたことがないので、実害はそれほどでもないようです。

実は我が家の前を流れる川にはよくカモたちがいます。そのため、すぐそばにある水田は格好の餌場なのでしょう。そして出会いの場であるのかもしれません。

撮影地　美唄市豊葦町 2017年5月24日

森の貴婦人～ｵｵﾊﾞﾅﾉｴﾝﾚｲｿｳ

オオバナノエンレイソウは森の中で大きな白い花をドレスのように咲かせることから「森の貴婦人」とも呼ばれています。北海道大学の校章や道内大手菓子メーカーの包装紙にデザインされているオオバナノエンレイソウですが、美唄市内で咲いているのを見かけるのは珍しいです。一心町にある美唄耕地防風保安林•美遊の森に接する排水のり面に細長い群落を見つけることができます。

エンレイソウの仲間は開花までに10~15年という長い年月を要します。春早くに花を咲かせた後、葉も枯れてしまうスプリングエフェメラルと呼ばれる植物の一つです。美遊の森の中にはこのオオバナノエンレイソウのほかにも水芭蕉やナニワズ、オオウバユリなどの湿原植物があり、大切に守っていくべき貴重なところだと思います。

撮影地　美唄市一心町 2020年5月2日

いのちのリレー～アリとカタクリの種

我が家で撮影した写真ですが、アリがカタクリの種を巣に運ぼうとしているところです。実はカタクリの実にはアリの好むエライオソームという甘くて栄養豊富なゼリー状のものがついているのです。アリは種を巣に運びこみ、巣の中でアリたちがゼリーを舐めたあと巣の周りに種を捨てます。アリは常に巣も手入れしているので、土を巣の外に運びだすため、カタクリの種も土で覆土されたようになります。そしてそこでやがてカタクリは芽を出します。

カタクリはわざわざエネルギーを消費して甘いゼリーを作り、それでアリを誘い新たなところで生を繋ごうとしているのです。スミレやアケビ、エンレイソーなどもアリが種を運ぶ植物ですが、植物の巧妙な仕掛けには驚いてしまいます。

ところでこのアリの運んでいるカタクリの実ですが、実は口で咥えている部分にそのゼリーがついているはずなのですが、ほとんどついていないようです。それでも懸命に巣に運ぶ姿を見ていると、「君たちも良いことをしているんだな」とアリを再認識したのでした。

撮影地　美唄市豊葦町 2020年６月1５日

幸せの青い鳥～オオルリ

五月のはじめに我が家を訪れたオオルリですが、なかなか姿を見ることができない渡り鳥です。日本へは夏鳥として渡来、繁殖して冬季は東南アジアで過ごします。この青は南国の色なのでしょうか？

オオルリは日本三大青い鳥でもあり、日本三鳴鳥でもあるんです。美しいさえずりと姿も美しく、まさに幸せの青い鳥なのですね。

撮影地　美唄市豊葦町 2016年5月６日

一緒に遊ぼ～スジグロシロチョウ

チョウの飛んでいる姿を撮影するのは中々至難の業なのですが、」この時は偶然にタイミングよく撮影できていました。

私たちがモンシロチョウと呼んでいる中にこの蝶が含まれていたりするのですが、実は別の種類です。

農家にとってはあまり増えすぎるとキャベツなどアブラナ科の青虫として害虫扱いされるのですが、花の受粉など、たぶん良いこともたくさんしているのかもしれません。

撮影地　美唄市豊葦町 2017年7月5日

黒い宝石～ミヤマカラスアゲハ

光り輝くようなブルーと小さな宝石を羽根にちりばめたような「黒い宝石」と呼ばれるミヤマカラスアゲハです。

カラスアゲハとの大きな違いは、前翅(写真では上の羽)の表面に白い線が入り、より色彩が美しく鮮やかだということです。この蝶を見つけたらすぐ撮影モードになるほど大好きなのですが、残念ながら今年は撮影できませんでした。

美唄では普通のカラスアゲハと高地性のミヤマカラスアゲハ、それに羽が長いオナガアゲハを見つけることができますが、いずれも数は少ないようです。ミヤマカラスアゲハは文字通り標高のやや高いところではたくさんいるようです。

当地のような平地でも、たまに大発生年にあたると、いたるところでも飛んでいましたが、ここ数年は姿を見ることは少なかったです。来年は当たり年にならないかな(笑)

撮影地　美唄市豊葦町 2017年8月16日

お天道様の虫～ナミテントウ

お天道様の虫、ここからテントウムシと名前がついたのですが、その元々の理由は、木の枝の先で行き場がなくなると上の方、つまりお天道様の方に飛ぶ虫だからということだそうです。

テントウムシはここ数年で激減してしまい中々姿を見ることができなくなりました。テントウムシ幼虫から成虫まで野菜についたアブラムシなどを食べる益虫ですが、殺虫剤で弱った虫を食べ続けると農薬成分が生物濃縮される危険性もありえます。

はっきりしたことはわからないのですが、農家感覚としてネオニコチノイド系の殺虫剤が普及してからトンボやテントウムシなどの益虫が減っているように感じています。早くテントウムシなどが減っている原因を解明し対策をとってほしいものです。

ちなみにナミテントウとは日本で最も多くみられるテントウムシの仲間で、黒字に赤い紋、またその逆の場合もあります。紋の数も様々で非常にバリエーション豊かな昆虫です。

撮影地　美唄市豊葦町 2019年7月5日

決めポーズ～エゾケブカハナバチ

今年は我が家の庭にやってくるこの蜂をよく撮影していました。最初マルハナバチの一種かと思い調べましたが、どうしても同定できないでいました。そこに本州のインスタグラムフォロワーさんから、『北海道にはいないはずですが「ケブカハナバチ」によく似ていますね』という情報をいただきました。写真を送っていただき比べたところ確かにそっくりです。しかしケブカハナバチは北海道にいないことになっています。

そこでハチのウエブ図鑑を制作されている岐阜聖徳学園大学の教授である川上紳一先生に写真をお送りしたところ、『このハチは「エゾケブカハナバチ」です』と教えていただきました。フォロワーさんと川上先生のおかげでこれまで発表されたことがほとんどないこの蜂の名前を知ることができ、とても嬉しいです。ありがとうございます。

またこのこの蜂は花粉を集めるために高速で頭突きを繰り替えし頭部の毛で花粉を集める面白い習性があるようです。

撮影地　美唄市豊葦町 2020年7月15日

湿原の名残花～サワギキョウ

私が住んでいたところは、かつて花々が咲き誇る湿原でした。戦後、開拓がはじまり水田地帯になるとともに、乾燥化が進み、かつての湿原植物たちはほとんどが消えてしまいました。わずかに残っている植物のひとつがこのサワギキョウです。しかし、乾燥化や除草剤の影響などで年々生育域が減少しています。貴重な湿原植物であるサワギキョウを今のうちに保護できたら良いなと思っています。

撮影地　美唄市上美唄町　2019年8月14日

インドの赤い提督～アカタテハ

アカタテハの英名はIndian Red Admiral で、直訳するとインドの赤い提督ということになります。これは動きが俊敏で人が近づくのは至難の業だということのようです。インドの軍隊はそれほどまでにと思ってしまいます。私は羽のオレンジの模様が何かの文字みたいだなと思っていましたので、インドの言語であるヒンディー語を調べてみました。するとε(イプシロン)のようなものが文字の一部に使われていることがわかりました。そしてインド陸軍は赤いターバンを巻いていることがあります。これは私の単純なこじつけですが、そんなことを想像してみました。

近寄るのは難しい蝶であることだけは確かです

撮影地　美唄市豊葦町 2017年9月13日

霧の林～白樺防風林

身近にある防風林の中で白樺は私の一番好きな木です。

この写真は朝霧の出た日に撮影しましたが、濃い霧にすーっと溶け込んでいく白樺林がとても幻想的でした。

戦後一斉に植林された木々のうち、白樺は寿命がきているのか台風などの強風で折れたり倒れたりして、美しい白樺林が年々減ってきているのが残念です。ここは倒伏を免れている数少ない場所で私のお気に入りのスポットです。

当地区の白樺防風林はかつて大手化粧品メーカーの全国テレビCMにも取り上げられたほどです。部分的でも良いので地域の大切な景観対策として保護していってほしいと思います。

　撮影地　美唄市上美唄町　2019年12月11日

ここで生きる～アキアカネ

強い霜でアキアカネの脚には白い霜がついて白くなっています。撮影した朝6時ころには微動だにしませんでしたが、日が差すと少しずつ羽根を動かし始め、二時間後には何事もなかったように飛び回っていました。暑さには弱いアキアカネですが、寒さには強いようで11月まで生き残る個体もいます。

水田で生まれ育ち、そこで一生を終えるアキアカネ、今回の私の個展のタイトルはこの写真から生まれました。

撮影地　美唄市豊葦町 201８年10月19日

フワフワしまちゃん～シマエナガ

11月になると我が家の敷地にある木々にシマエナガが群れでやってくるようになります。とても動きが早く、しかも１０ｇにも満たない小さな野鳥なので、撮影に慣れるまでとても時間がかかりました。本州にいるエナガの亜種ですが、シマエナガはエナガと違って頭が白く、とても可愛く見えます。そのため、わざわざ本州からシマエナガを撮影をするためたくさんの方々が来てくれます。大人気のシマエナガが我が家にやってくるのはとても幸運なことだと思っています。これからも大好きなシマエナガを撮影していきたいです。

撮影地　美唄市豊葦町 2019年12月26日

霧氷の朝～宮島沼

6万羽のマガンがやってくる宮島沼は日本最北のマガンの寄留地でラムサール条約登録湿地に指定されています。マガンのいる春と秋は多くのカメラマンたちがやってきますが、真冬になると水鳥もカメラマンもいない静かなまた別の世界を見せてくれます

撮影地　美唄市西美唄町　 2018年２月19日

雪の妖精~シマエナガ

シマエナガはその可愛らしい姿から、「雪の妖精」とか「ゆきだるま」の愛称がついています。アイヌ語で「ウパチシリ」(雪•鳥)と呼ばれていてアイヌの人々にも愛された野鳥のようです。正面から撮影すると何ともいえない可愛らしい表情を見せてくれますがなかなかこちらを向いてくれません。

撮影地　美唄市豊葦町 2017年1月14日

しばれた朝~白樺林

白樺に霧氷がつくととても美しく、私はマイナス20℃のビリビリするような早朝でも撮影に出かけます。白い雪面に残るキタキツネの足跡が林の奥の方まで続いていました。ちなみにキタキツネの足跡は左右の足を内側に寄せて一直線に歩くので一本のラインになります。雪の上の足跡でそこに住む動物の種類がわかります。

撮影地　美唄市豊葦町 2014年２月12日

赤い実大好き～キレンジャク

キレンジャクは北半球の寒帯で繁殖し、その後餌を求めて南下してきます。途中で食料不足になると日本までやってくるので、日本で毎年見られるわけではなく、およそ5年に一度といわれています。今年は当たり年で大群が押し寄せ北海道から本州まで普通に見られたようです。ここではヒレンジャクも一緒に来ていました。ヤドリギを増やすのはキレンジャクです。ヤドリギの実を食べたキレンジャクは粘り気のある糞を別の木に落としそこからヤドリギは芽を出すのだそうです。ナナカマド、今年の3月にはどこのナナカマドも赤い実が食べられていて、かなりの大群がやってきていたことを教えてくれています。

撮影地　美唄市上美唄町　2020年1月16日

雪にあしあと～エゾユキウサギ

残念ながら撮影地でエゾユキウサギをまだ見ていませんが、子供のころは近くの林で普通にエゾユキウサギを見ていました。子供のころはただ野ウサギと呼んでいて最近本当にの名前を知りました。足跡が面白いですね、縦に並んでいるのが前足で横に並んでいるのが後ろ足です。ワンセットで目と鼻と口のようにも見えますね。最初、前足をキツネのように縦一直線に足跡をつけます。そして後ろ足で跳ねて前足の前に着地します。そして前足を出してまた、、、、というような歩き方をするのでこのような特徴的な足跡になります。

カーブを描いて前進するこのエゾユキウサギ、何を考えながらこんな風に歩いたのでしょうか？　想像するのもまた楽しいものです。

撮影地　美唄市上美唄町　2020年1月9日

夜明け~白樺のある風景

今回の個展のラストに選んだのがこの写真です。市道のそばに一本の白樺の木があって、普段なら何も感じないようなところですが、晩冬の夜明け前、太陽の昇る寸前の空は美しくいつもと全く違った美しい風景を見せてくれました。実際に撮影中は刻一刻と変化する空のグラデーションに感動したものです。

この地区は防風林があって木かとても多いのですがぽつんと一本の木があるところは中々見つけることができなかったのですが、やっと探し当て、様々な季節に撮った中の一枚です。

美唄にも富良野や美瑛にも劣らない瞬間がきっとあちらこちらにあるのだと思った撮影でした。

撮影地　美唄市沼ノ内町　2019年2月24日